こんなところに居たい訳ではないのに
なんでこんなことに……。
悔しがっていると妖怪の気配がした。
私は、ハッとして前を向いた。
現れたのは、闇野さんとその双子の妹の
美麗さんだった。
この人が……社長の婚約者だと
言われていた女性。
彼女とは、遠くでチラッと見かけたことはあるが
まともに話したことが無かった。
闇野さんに似て凄く綺麗な女性だった。
「気づいたようだね?」
「あのお願いですから。
ここから出して下さい!!」
私は、必死に闇野さんに頼み込んだ。
しかし闇野さんは、クスクスと笑いながら
「それは、残念ながら無理な話だな。
計画は、すでに進んでいる。後は、君のことを
月ノ宮一族に知らせ、全ての罪を社長に
被ってもらう。共倒れになれば
こちらも簡単に攻めやすくなるからね」
そんな……!?



