せめてもう一度社長に会いたい。

会って抱き締めてくれたら
どんなにいいだろうか。

ぼんやりする意識の中、ベッドの上で
横になっていると鍵を外される音がした。

あ、美音?それとも伯母さん?

するとドアが開いて入って来たのは
月ノ宮神社の巫女さんだった。

えっ……?

「神社の外で掃き掃除をしていましたら
白銀の髪をした綺麗な男性が
これを……響様に渡してほしいと頼まれました」

そう言い手紙を差し出してきた。

白銀……って社長!?

私は、慌ててその手紙を受け取ると
中身を確かめた。

『響へ。このまま外に飛び出せ。
神社の外まで出れば、俺が連れ出してやる。
ずっと出て来るまで待っている。九門寺蓮』

やっぱり社長からだった。