「そうか……それは、楽しみにしているよ。
だが、出来ない時は……分かっているね?蓮……」

そう言うと消えていく。

社長は、そのまま抱き上げている私を
覗き込んだ。

「渡してなるものか……あんな奴に」

ギュッと切なそうに抱き締めた。

社長は、私を寝室に連れて行きベッドに寝かせる。
そして自分が覆い被さるとネクタイを緩めた。

「寝ているお前を抱くのは、卑怯で
好きじゃないが。許せ……響」

今にも泣きそうな表情で私にキスをしてきた。

そんなことを知らない私は、
ぼんやりとする意識の中
温かいぬくもりを感じていた。

社長……?

「温かいな。お前の中は……」

鈍い痛みと共に
社長の温かい匂いが私を包み込んでくれる。