そのまま気絶をしてしまう私を
誰かが抱き上げた。

抱き上げたのは、会長だった。

「そろそろ……頃合いかな?
響子ちゃん悪いね。妖怪の繁栄のためにも
彼女にされた封印を解かしてもらうよ」

クスッと不敵な笑みをこぼしながら
しかし、その時だった。

「おい、親父。
響をどうするつもりだ!?」

いつの間にか起きていた社長は、
人間の姿になっていた。

「おや?起きちゃったかな?蓮」

会長は、社長を見るとクスッと笑った。

「俺は、当主だ。それぐらいの気配なら
すぐに気づいて起きるに決まってるだろ‼️
そんなことより、響をどうする気なんだ!?」

「どうするって……決まってるだろ?
彼女に封印されている力を開放するんだよ。
月ノ宮一族の力は、必要だからね。
いずれ私と月ノ宮一族との子供を産んで
もらわないとならない」

私を抱き直しながら会長は、クスクスと笑った。