「響ちゃん。それは、
少し誤った情報が流れているね」
会長は、そう言ってきた。
誤った……情報?
それは、どういうことかしら?
「確かに。大昔にまだ、妖怪が自由に
人間界の表に出れた頃……月ノ宮一族の当主は、
九尾を封印した。しかし
封印したのは、偽者の九尾の方だ!」
偽者の九尾!?
「何で……そんなものが?」
私は、驚いて聞き返した。
「我々の先祖……九尾は、月ノ宮一族の当主と
戦友だったからだよ!」
「戦友……ですか?」
戦友とは、戦場などで共に戦った
仲間のことを言うのだが……月ノ宮一族は、
妖怪専門の陰陽師のはずだ。
つまり敵同士のはずなのに……。



