また、社長を怒らしてしまった……。
「響。目を覚ませ!?
お前は、あの化けキツネに化かされているんだ。
あんなの幻想……まやかしだ。
お前が、化けキツネのことが好きだと
思い込ませているんだ!」
「そんなことない……私は、
ちゃんと社長のことが好きだもの」
「それが、まやかしだと言うんだ‼️
そもそも妖怪は、人間の女を本気で
好きになる訳がないだろ。あいつらは、
子供を産むための道具ぐらいしか思っていない。
人間を見下しているんだ‼️」
その言葉に腹が立ってくる。
司は、何も知らないのよ!?
妖怪だって人間を愛せるってことを……。
「大体、九尾の妖狐が月ノ宮の人間を
愛す訳がないだろう。
月ノ宮の先祖は、一度九尾を封印した
歴史があるんだ」
えっ……?
何よ……それ。私……そんなこと知らない。
「嘘よ……そんなの」
「嘘じゃねぇーよ。俺の実家……月ノ宮神社に
それを書き留めた巻物がある。
大昔に都を暴れる九尾を俺らの先祖が封印した。
その縁もあり九尾は、月ノ宮一族を酷く憎んでいる」



