「響……お前。本当に何もされなかったのか?
アイツが人間の女であるお前に
興味を抱かなかったのが、不思議で仕方がない」

怪しむように私を見てきた。

ギクッ‼️

「あ、いえ……あの人が興味を抱いたのは、
私より月ノ宮一族のことでした。
それに私は、封印の力がありますし……向こうも
下手に動けないみたいですから」

私は、必死に言い訳をする。

嘘です。本当はキスをされました。
でも、こんなこと……社長に言いたくない。

「怪しい……お前。何か隠しているだろ?」

「ま、まさか……」

明らかに社長に疑われてしまう。

どうしよう……他にも言い訳が思い付かない。

すると突然電話が鳴り出した。

「まったく……誰だ?」

ブツブツと言いながら社長に電話に出るが
驚いた表情をしていた。

「何だと不法侵入者が暴れている?
しかも月ノ宮と名乗っているだと!?」