「それは……たまたまで」
たまたまなのは、本当だ。
まさか、あんなところで遭遇するなんて……。
「あれほど気をつけろと言っただろーが!?
お前の式神が、助けに入ってアイツが素直に
引き下がったからいいものの……本当なら
式神を簡単に殺せるしお前の身が
危なかったんだぞ!?」
社長に凄い剣幕で怒鳴られてしまう。
「すみません……」
私は、必死に頭を下げて謝罪した。
しかしフッと思った。
ヴァンパイア一族の主が……幹部?
それに式神まで簡単に殺せるって……やっぱり
ただ者ではなかったんだ。
あの闇野さんって人。
「あの……闇野静夜さんって一体
どんな方なんですか?
ただ者ではないというのは、すぐに分かりましたが?」
私は、恐る恐る質問してみた。
するとピクッと反応する社長。
チラッと社長が三津谷さんを見ると
「それは、私が説明します。
ヴァンパイア一族とは、主の下に率いる幹部の1人です!
力は、社長に劣るものの妖怪の中でもトップクラス。
他にもカラス天狗一族など数人居ますが。
そして闇野静夜は、ヴァンパイア一族の主のご子息。
次期、一族の主と言われている人物です」



