すると美音は、慌てて私のもとに駆け寄り
ハンカチで頬を拭ってきた。
「響……大丈夫か?怪我はない?」
「大丈夫。怪我はしてないわ。
それよりも……」
チラッと倒れている女性社員を見る。
倒れたままだった。
のちに蹴破られたドアと騒ぎで
人が集まりだしてしまった。
女性社員は、医務室に運ばれたが
記憶を消されており何も覚えていなかった。
説明をしても分かってもらえないと思った私は、
仕方がなく不審者に遭遇したとだけ伝えた。
本当は、闇野さんがしたことなのだが……。
会社の方は、社内の妖怪の仕業だと
理解したのか警察には、一切報告をせずに処理された。
そして私は、社長室に呼び出されることに。
「話は、全て聞いた。
あれをやったのは、ヴァンパイア一族の者だな?」
ビクッ‼️
言い当てられ心臓がドキッとする。



