一室に案内された。

しばらくすると
美味しそうな料理が運ばれてきた。

お刺身に大きな蟹。
そしてどれも高級料理ばかりだ。

「あの……これ。
私が食べてもいいのでしょうか?」

こんな高級料理。
食べていい理由が思い付かない。

「当たり前だ。何のために
お前をここに連れて来たと思っているんだ!」

「えっ……?
自分が食べたいからじゃあ……?」

そう言った瞬間。
社長の動きがピタッと止まった。

「あぁ……そうだ!」

社長は、そう言うと箸を強引に取り
食べ始めた。

よく見ると少し頬が赤い。

うっかり口を滑らしてしまったかのような
態度だった。