「キャアッ!?」
「危ないだろ……って……響?
お前……何で泣いているんだ!?」
ぶつかった相手は、社長だった。
思わないところで遭遇してしまった。
何で……こんな時に社長が居るの?
「社長こそ……何で?」
「お前が残業すると聞いて様子を見に来たんだ。
また、変な奴らに絡まれているのではないかと思って
……で。一体、何が遭ったんだ?」
「それは……」
私は、言いにくそうに目線を逸らした。
社長には、こんなこと話せない……。
しかしその時だった。
「貴様。響から離れろ!?」
追いかけてきた美音は、私が社長と一緒に
居るのが分かると怒鳴った。



