あなたは、人間の女性で
私の大切な幼馴染みで親友じゃなかったの!?
すると美音は、複雑な表情をしていた。
「正直に話すよ。私は、月ノ宮一族が
代々仕える式神だ。言わば、紙の化身。
そして私は、男でも女でもない。
いや。本来は、どちらかと言うと男の方に近い。
身体を自由に変えて今までそばに居た。
私が化身に変えた主は、あなたのお母様だ!」
お母さんが!?
「お母さんが……何でまた?」
「社長と……いや、九尾一族の主から
聞いているのではないのか?
あなたを守るためだ!」
「大切な娘もだけど。あなたには、強い力が
封印されている。それを狙う妖怪を見つけたら
報告し、気づかれないように排除するのが
私の仕事だ!」
えっ……?
じゃあ、最初からそのために?
「じゃあ、美音は……最初から
そのために私に近付いたの?
幼馴染みなのも親友なのも……全部嘘なの!?」
そんな……親友だと思っていたのに。
ショックで胸がズキッと痛んだ。



