その一言に息を飲む。


「それってまさか……」


「わからないけど、でも……」


そう言って麻由子は俯いた。


また化け物が現れた可能性があるから、ここで棒立ちになってしまっていたようだ。


「二人ともどうした? あいつら見つかったか?」


その声に振り返ると、浅野先生と祐里が階段を下りて来るのが見えた。


「外で……声がきこえたみたいです」


あたしがそう答えると浅野先生はホッと胸をなで下ろして、表情をやわらかくした。


「なんだ、あいつら外にいたのか。帰る準備をしてるんじゃなかったのか」


そう言ってドアを開けて外へ出る先生。


あたしたち3人は慌ててその後を追い掛けた。


「声はどこから聞こえて来た?」


「裏手です」


浅野先生の質問に麻由子が答える。


その間、あたしは落ちている枝を数本拾った。