☆☆☆

合宿5日目。


予定よりも5日早く家に帰る事になり、朝から慌ただしかった。


キャリーケースに荷物を詰め込み、利用した合宿所の道具を綺麗に片付けて行く。


撮影に使おうと思っていた機材も、全部まとめ直した。


「お兄さんは何時に迎えにきてくれるの?」


祐里が化粧品を鞄に入れながらそう聞いて来た。


「お昼くらいになるって言ってた」


あたしは答える。


仕事は休みらしいけれど、ここまで来るのに時間がかかるのだ。


「そっか」


「祐里大丈夫? まだ顔色が悪いけど」


そう聞くと、祐里は小刻みに頷いた。


とても大丈夫そうには見えないが、もうすぐ帰れるということで少しは落ち着いている様子だ。