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あれは一体なんだったんだろう?


合宿所に戻ってからも誰もわからなかった。


それに、あれだけハッキリと化け物を見たのに、浅野先生は見ていないと言ったのだ。


孝利から電話を受けて、駆けつけるとドアの前にブラシが倒れていて、それであたしたち6人は閉じ込められていた。


その時に生じた不安な気持ちが集団で幻覚を見せたのではないか?


そう言っていたのだ。


あんなにリアルな幻覚を、6人で同時に見ることなんてあるだろうか?


「やっぱり浅野先生のイタズラじゃない?」


女子部屋に戻った時、祐里がそう言った。


その表情は青ざめていて、まだショックを引きずっているのがわかった。


あたしと麻由子も同じだった。