みんなの隙間から窓の外を確認する。


しかし、そこにはなにもない空間があるだけだった。


「待てよ。唸り声は聞こえてくるじゃねぇか」


亮輔の声に耳を澄ませてみると、確かに唸り声は聞こえて来る。


姿だけが見えないのだ。


「なにこれ、どういうこと!?」


麻由子が混乱した声を上げる。


その時だった。


ドアの前でゴトゴトと物音が聞こえてきて、あたしたちは息をひそめた。


誰かが小屋の前にいる……。


さっき見た化け物の姿が何度も思い出されて、呼吸が苦しくなってくる。


ドアの外の物音はすぐに消え、ドアノブが回った……。