あたしははき掃除をしながらその光景を横目で見ていた。


1年生の部員の中では俊和は一番カッコイイ。


人数が少ないからではなく、本当に学年で1位2位を争うくらいのイケメンだった。


「なにあれ、抜け駆けしちゃってさ」


麻由子が面白くなさそうに頬を膨らませて言った。


「麻由子も俊和がいいの?」


あたしは手を休めずに聞く。


「あったりまえじゃん! 何のために映画部に入ったと思ってんの?」


その言葉にあたしは呆れてため息を吐き出した。


「それよりも、早く掃除を終わらせないと活動できないよ」


あたしがそう言うと、麻由子は渋々掃き掃除を再開したのだった。