休憩室で1時間ほど休んでいると、ようやく気分は戻ってきていた。


それでも、脳裏に焼き付いた麻由子の顔は何度となく思い出された。


「二人とも、隣の部屋に移動しろ」


焦ったように浅野先生がそう言ってきて、あたしは上半身を起こした。


休憩室の入り口に立つ浅野先生は青ざめた顔で、バッドを握りしめている。


「化け物ですか?」


そう聞いたのは俊和だった。


さっきから、窓やドアを叩く音が聞こえてきていた。


「あぁ」


「それならあたしたちも戦います」


あたしはそう言い、用意してあるバッドを握りしめた。


浅野先生1人になにもかも任せるわけにはいかなかった。