合宿10日目の朝が来た。


予定通りなら、今日家に戻る事になっている。


淡い期待を胸に目を開けてみると、外はすでに太陽が昇っていた。


「朝……」


そう呟いてカーテンを開き、グラウンドを確認する。


ライトがないから化け物の姿が見えなくて、一瞬すべてが夢だったのではないかと思った。


けれど、グラウンドに放置されている祐里の遺体を見つけて、あたしの期待はすべて打ち砕かれて行った。


「祐里の死体、カラスがつついてるな」


そう言ったのは俊和だった。


化け物が侵入した時の為に、今日は全員1つの部屋で眠った。


俊和は先生と交代で見張りをしてくれていたはずだ。


「そうだね」


あたしはそう返事をしてカーテンを閉めた。