「麻由子聞いてる!?」


耳元でそう言うと、途端に麻由子が立ち上がった。


血走った目で無題のDVDをプレイヤーから取り出し、突然それを床に叩きつけたのだ。


「何してるんだ!」


騒ぎを聞きつけた浅野先生がすぐに止めに入った。


しかし、麻由子がDVDを踏みつけ、それにはヒビが入ってしまっていた。


「だって……これがなければいいんでしょ!? 原因は、このDVDだったんだから!!」


浅野先生の腕の中で発狂し、暴れ回る麻由子。


「わかった、わかったから、今は二階へ移動するんだ!!」


外からはまだドアを破壊しようとする音が聞こえて来る。


化け物たちはすぐそばにいるのだ。