大きめのベニヤ板と金槌、それに釘を持って再び走る。


入り口へと戻って来ると、浅野先生と俊和が2人がかりでドアを押さえつけて化け物の侵入を拒んでいた。


「先生これ!!」


すぐにベニヤ板をドアに押し付けて、釘で打ちつけて行く。


けれど、こんな薄い板じゃいつ突き破ってこられるかわからない。


決して安心はできなかった。


「二階へ逃げろ!」


浅野先生にそう言われたが、あたしは一旦休憩室へと戻った。


まだそこに麻由子がいるのだ。


「麻由子、調べものは後でいいから!」


そう言って麻由子の手を引く。


しかし、麻由子は動かない。


スマホ画面を見つめたまま、なにかブツブツと呟き続けているのだ。