みんな、もう極限状態なのかもしれない。


その間にも、ドアや窓を突き破って侵入しようとする化け物が、激しく音を鳴らす。


その音を聞いているだけでも心臓が飛び出してしまいそうだった。


「なんで見つからないの……」


麻由子がガリッと親指の爪を噛む。


「落ち着いて麻由子。まだ化け物たちは入って来てないんだから」


あたしがそう言った時だった。


バキッと木が破壊される音が入り口の方から聞こえて来たのだ。


あたしたちは目を見交わせ、入口へと走った。


見ると、木製のドアが突き破られ、化け物の腕が伸びてきているのだ。


「残りのベニヤ板を!!」


浅野先生がそう叫び、あたしは弾かれたように休憩室へと走った。