あたしは右手にある小窓へ視線を向けた。


大きな野生動物だったらどうしよう。


昼間、撮影中に遭遇すると危ないかもしれない。


小窓はレバーを押すと下の3分の一ほどが開く形になっている。


あたしはそのレバーを押し、外を確認してみた。


誰もいないし、野生動物のような影も見当たらない。


「気のせいか」


あたしはそう呟いてトイレから出たのだった。