「もういいんじゃない?」


亮輔の欠伸を火切りにして祐里が言う。


「だよね、後何分続くのかわからないけど、これはひどいよ」


麻由子もそう言い、苦笑いをした。


「なんだよ、せっかく楽しみにしてたのによぉ」


亮輔はブツブツと文句を言いながらDVDを止め、電気を付けた。


光の眩しさに目がチカチカする。


期待していた分、ガッカリした気持ちは大きかった。


でも、高校1年生が制作する映画なのだ。


あたしたちだって同レベルくらいかもしれない。


人の作品で笑っているような場合ではない。


「明日に備えてもう寝ようよ」


あたしはそう言い、ソファから立ち上がったのだった。