どうにか合宿所まで逃げ込んで来て、あたしは休憩室のソファで横になって大きく深呼吸を繰り返した。


外では浅野先生と俊和の2人が残り2体の化け物を退治してくれている。


「大丈夫?」


麻由子がそう言い、冷たいお茶を差し出してくれた。


「ありがとう」


走って戻って来たこともあり、喉はカラカラだった。


お茶を一気に流し込むと、ようやく気分が落ち着いて来た。


「ビックリした。まさか恵里菜が戦うなんて」


麻由子がそう言いながらあたしの隣に座った。


「だって、ほっとけないでしょ」


あたしはそう言い、ソファに座ってひねった方の足首にシップを貼る祐里を見た。


あのまま無視して逃げていれば、あたしはきっと後悔したし、祐里と俊和は襲われていたかもしれないのだから。


「恵里菜って本当にお人よしだね」


麻由子は呆れたようにそう言ったのだった。