画面上ではこの施設が映し出され、数人の先輩たちが授業を受けている風景が流れ出した。


どうやらこの施設を普通の学校の舞台として使用したみたいだ。


元々学校だったから設備も整っているし、一番簡単な設定だったことだろう。


5分ほど見ていると、物語のキャラクターたちは学校内に閉じ込められ《モンスター》と戦い始めていた。


「モンスターって、黒いマント被ってるだけじゃん」


そう言ったのは祐里だった。


画面上で動いているモンスターは黒マントを被っていて、低い唸り声を上げながらキャラクターたちに襲い掛かっている。


しかし、どれもこれも迫力に欠けるシーンばかりだ。


昼間見た《茜色の恋》とは大違いでガッカリしてしまう。


一番張り切っていたはずの亮輔が大きな欠伸をし始めた。