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浅野先生が警戒しながら小屋のドアを開けた。


中から小さな埃が舞い出して来る。


あたしは持って来た菓子パンと飲み物をギュッと抱きしめた。


「菊島、昼飯持ってきたぞ」


浅野先生がそう言うと、孝利が小屋の入り口まで移動してきた。


全然眠っていないのか、目の下には真っ黒なクマができている。


孝利があたしを見て手を差し出して来た。


その手に持って来たパンと飲み物を手渡す。


「ねぇ孝利。ちゃんとみんなに謝ろう?」


あたしはそう言った。


孝利の目が射抜くようにあたしを見つめる。


「許してもらえることはできなくても、その方が孝利も楽だよね?」


映画の話がしたかったのに、今の孝利を見るとそれ所じゃないと思ってしまった。