殺戮合宿〜モンスター〜

「ううん……」


あたしは菓子パンの残りを口に放り込んだ。


甘い香りが口に広がり、優しい気持ちになれる。


「それに、孝利から助けてくれてありがとう」


あの出来事が麻由子の心を開いてくれたようだ。


「ううん。麻由子も傷ついたよね」


未遂で終わったとしても、その時の恐怖や傷口はしっかりと刻み込まれてしまうことだろう。


「恵里菜が助けてくれなかったら、今頃あたし……」


そこまで言って身震いをした。


「うん。孝利にはちゃんと償ってもらわないと。だから、絶対にここから出ようね」


あたしは力強くそう言ったのだった。