合宿6日目。


軽く朝食をとったあたしたちは、亮輔を土に埋める事を提案した。


昨日浅野先生が合宿所の一室に遺体を移動してくれているけれど、いつまでもそこに置いておくわけにはいかない。


遺体はいずれ腐敗して、ひどい悪臭を放ち始めるだろう。


そうなってしまう前に、土に埋めてあげたかった。


「そうだな……。お前たちがそう言うなら、そうしよう」


浅野先生は何度も頷き、自分自身を納得させるようにそう言った。


この合宿所からいつ出られるのかわからない。


それを、みんな感じ取っていた。


亮輔の遺体は白い布にくるまれた状態で、畳の部屋に寝かされていた。


「ちょっとだけ、顔を見たいんだけど」


そう言ったのは孝利だった。


青い顔をしているが、まっすぐに亮輔の遺体を向き合いたいのだろう。