『どうした?』


「あのね、お兄ちゃんたちが撮影した映画について聞きたいんだけど」


『あぁ。まだ質問があったのか』


「うん。あの化け物は作り物なんだよね?」


『当たり前だろ? あんな化け物いるわけがない』


「そうだよね……。それなら、どうしてあの作品を作ろうと思ったの?」


『どうしてって……、シナリオを手掛けたヤツじゃないとわからないなぁ。ホラー好きな奴が多かったとは記憶してるけど……』


困った声に、兄は本当に何も知らないのだとわかった。