外に出て小道を歩いていると、すぐにパトカーの音が近くなる。


パトカー1台がギリギリ通れるくらいの道に出ると、赤いランプが見えた。


「小道に気が付かずに行ったり来たりしてたんだな」


浅野先生がそう呟いたその時だった。


パトカーがあたし達の前を走り抜けていったのだ。


「見えなかったのか?」


そう呟き、浅野先生が一歩前へ踏み出す。


すると今度はそのギリギリのところをパトカーが駆け抜けて行った。


「先生危ない!」


あたしはそう言い、咄嗟に先生の服を掴んで小道へと引き寄せた。


「なんだよあれ。まるで俺たちが見えてないみたいだ……」


俊和がそう呟いた。


パトカーは何度も何度も目の前を行き来する。


しかしあたしたちが声をかけても、手を振っても、気が付かずに通り過ぎてしまうのだ。