それから間髪置かずに警察からの連絡が入った。


それは兄同様に、合宿所が見当たらないという内容のものだった。


パトカーは小さいか合宿所のすぐ近くまで入って来ることができる。


それなのに見えないなんて、どう考えてもおかしかった。


「外へ出てみよう」


そう提案したのは孝利だった。


「ここで待っててもなんの解決にもならない」


その意見にあたしは頷いた。


「そうだね。あたしも賛成。合宿所が見えないっていうのも、おかしいし」


さっきからパトカーのサイレンはここまで聞こえてきている。


それなのに全く到着する気配がないのだ。


さすがに浅野先生もおかしいと感じていたようで、渋々頷いてくれた。