あたしの手はひどく荒れていて、いくらハンドクリームを塗っても治らなかった。


「お前は本当に役立たずだね。死んだ洋二さんとそっくり」


叔母はそう言い、あたしをねめつける。


あたしは水量を増やして聞こえないフリをした。


こんなことを言われるのは日常茶飯事だ。


あたしの幸せは幼稚園年長の、あの日に追わってしまったのだから。


「洗い物が終ったら風呂掃除だよ。そのくらい、学校が終ったらしておくもんだろ!」


叔母さんからの罵倒にあたしは頷くしかできなかった。


学校が終わったら勉強をして、洗濯物を取り込んで、夕飯の準備をする。


それだけであっという間に時間は過ぎて行ってしまう。