恭「何してやがんだ?」


ビクッ
璃夢「っ…」


横から日比谷先輩の声がした。声のした方を見てみると、いつの間にか帰ってきていた先輩がすぐそばにいた


璃夢「あ、えっと、座りっぱなしで…お尻が…痛くてっ…」


そうしてお尻はソファに逆戻りした。

じ、事実ではあるし、嘘じゃないもんね、うん。

こんな苦し紛れの言い訳。すぐにバレるかもしれない。そう思ったが


恭「そうか」


そう言われただけで疑いもしていないようだった。

………私が言うのもなんだけど、日比谷先輩って…バカ?

《璃夢に言われてはお終いだ》


恭「よーし、燿(ひかる)〜ちゃんと撮れよ」


ヒカル?

誰だろうと思って日比谷先輩の後ろを見ると、ビデオカメラのようなものを持った天沢(あまさわ)先輩が立っていた

そうだよね、日比谷先輩と天沢先輩は幼なじみだ。居ないはずがない。

だけど、天沢先輩の他にも多くのヤンキーがニヤニヤした表情で立っていた


………なんか、嫌な予感がするんだけど…

思わず体を強ばらせ、日比谷先輩から離れるようにソファの上で後ずさった

しかしそんなもの意味がなくて……





璃夢「えっ…」


気がつけば私の視界には天井が映っていた。そして背中にあたる柔らかい感触。

日比谷先輩に肩を押され、寝転がらされたのだ