『30分か…』って言うのは多分、電話をかけてからかかった時間かな?やっぱり30分だったんだね。私の体内時計も侮れないね!

えっと……逆算すると…翼に電話をかけたのは…9時だね!

《正確には9:10だ。》


やっぱり私を探してるのかな…それとも、この場所を探してくれてるのかな…。どっちなんだろう…。

何がしたいのかは分からないけど、30分も待ってイライラするくらいなら、はじめからちゃんと場所を教えてくれたらいいのに。

そうすればすぐに来ただろうに。


恭「うっし、暇だしヤルとするかな」


そう言ってタバコを灰皿で消すとソファから立ち上がった日比谷先輩は、一度工場の外へと出ていった。

………何しに行ったんだろう…。それに、ヤルって…何を?

とにかく、今は足も縛られてないし口も塞がってない。逃げるには絶好のチャンス!でもどうせなら手を縛ってる縄も切りたいよね…

私は周りを見渡して何か縄を切れるものが無いか探した。


すると、ソファのすぐ側の床に空き瓶が沢山並んでいるのが見えた。

………あれを割ったガラスとかで縄切れないかな…。ハサミとかよりは切れるかも。

後ろに手がある状態でハサミを使うことなんて出来ないし。

そう思ってソファから降りるために腰を浮かせたが…