恭「お前の兄ちゃんは、案外薄情なやつなのかもな」


そんなことを言われ、日比谷先輩に視線を向けるとスマホから目を離し私を見ていた

私のお兄ちゃんは薄情なやつ……つまり、私が薄情なやつってこと!?どうしてそうなったの!?


璃夢「んーんんっ!」


もちろん、口は縛られたままなので私は言葉を発することができない。

もうっ!さっきから地味に息苦しいんだよね、コレ!

マスクの要領で下にずらせないかな…。ほら、喋ってるうちにマスクってどんどん下がってくるし。

日比谷先輩がどっかにいったら試してみよう…。


恭「あー、そっか。それじゃあ喋れないよな」


ケラケラ笑いながら私の方に歩いてきた日比谷先輩は、なんの私の口を覆っている布を外した。

………またこんなに簡単に外して…。私が大声上げたらどうするつもりなのさ、ホントに。


恭「地面痛いだろ?こっち来いよ」


そう言ってまさかの足を縛っている縄まで外してくれた。

え、なになに?なんで?もしかして意外と良い奴?

そんなことを思ってる間に立たされ、ソファまで歩かされると肩を押され、座らされた

わぉ、ふかふかだ。……でも、胡桃先輩の家やプライベートルームのソファには負けるかな。