恭「んじゃ、ちょっと黙っててね?」


璃夢「んぐっ!」


そう言われ、また口を布で覆われた。

やってしまった!折角話せたのに!ひと叫びしてやればよかった!


恭「もしもーし、誰か分かるか?」


いきなり独り言を言い始めたのかと思えば、どこかに電話をかけていた。

誰に電話かけてるんだろう?


恭「おーおー、デケー声で叫ぶなって。まだ何も言ってねぇだろ」


日比谷先輩も言ったように、電話の相手の人は大きな声で何かを言っている。

聞こえてきたのは『なんでテメェが電話してくんだ!あ゙ぁ?』という言葉だったような気がする。


恭「お前、今魁璃夢と一緒にいねぇか?」


『魁璃夢と一緒にいねぇか?』

何聞いてるの!一緒にいるはずないじゃない!だって、私は、ここにいる!

一体誰に電話してるのさ。


恭「一緒じゃねぇ?ふーん、じゃあソイツに伝言。【妹は預かった。返して欲しけりゃ探してみろ。ヒントは工場】以上だ。ちゃんと伝えろよ、八重樫」


八重樫!?電話の相手は翼だったんだ!

そう言った日比谷先輩は、まだ翼が何か言っていたにも関わらず電話を切った

そっか…私と仲のいい翼となら一緒にいると思って電話をかけたんだね。


恭「さーて、見つけるのに何時間かかるかな」


スマホをポケットにしまうと不敵な笑みを浮かべた日比谷先輩。

どうしよう…どうにかしないとっ