璃夢「ゆ、雪くん。もう綺麗になったよ?」


なにが綺麗になったのか分かんないけど、汚れてたから消毒とかしようとしてくれてるんだよね?


雪「…あぁ」


そう言って、やっと雪くんが手を離してくれた。そして自分の手の甲を見てみると真っ赤になっていた。

あははっ、うん。ヒリヒリする。


由宇「そう言えば璃夢くん」


璃夢「はい?」


由宇「さっき、『詐欺です!』って言ってたけど…もしかしてアレ…キザって言いたかった?」


キザ………。


璃夢「それだ!!」


【詐欺】って言っててなんか違うなぁって思ってたんだ〜!

そかそか!それだよ【キザ】!


昴「お前、キザと詐欺間違えんなよ…」


璃夢「星宮先輩!?」


さっきまで翼と胡桃先輩の追いかけっこを見てホッコリしていた星宮先輩が何故か私の方をみてそう言った

なんで私たちの会話聞いてるの!?翼たちのこと見てたじゃん!


昴「はぁ…オメェマジ頭悪ぃよな…」


璃夢「何でシミジミと言うんですか!?」


みんな私に対して『頭悪い』とか『バカ』とか言う時、シミジミと言うんだよ!?なんでシミジミと言うの!?


昴「けどさ、理緒を切り捨てないでくれてありがとな」


私が胡桃先輩を切り捨てる?


璃夢「なぜ感謝するんですか?切り捨てる必要もなかったし、僕自身もっと胡桃先輩と仲良くなりたかったから友達になったんです。だから感謝なんてしなくていいんです」


感謝されるようなことしてないし、されるようなことじゃないし。

もっと違う言い方をしたら、胡桃先輩と友達になりなかった私のわがままなんだし、逆に何も言わずに見ていてくれた先輩たちに私は感謝しないといけないとおもうな