理緒「無理だっ…お願いハムスターちゃんっ!いなくならないで!ハムスターちゃんがいなくなったら俺死んじゃうよ!?」
まるで親に捨てられる寸前の子供のように駄々をこねる胡桃先輩。
私はそんな胡桃先輩のそばに行き、しゃがんで視線を合わせた
璃夢「胡桃先輩」
理緒「ダメだよ…。グズッ、俺から離れたらダメだって!そんなの、許さないっ!俺、一人になっちゃうじゃん!」
それは違う
璃夢「違いますよ」
理緒「え?」
胡桃先輩が嫌がる理由は、私がいなくなることで一人になってしまうからでしょ?
でもね、それは違うんだよ
璃夢「胡桃先輩は、一人なんかじゃありません」
理緒「違わないっ!俺はハムスターちゃんがいなかったら一人なんだよっ!」
パシンッ!!
昴「っ」
翼「璃夢!?」
周りのみんなは驚いたような表情をした。
理緒「っ?」
胡桃先輩も何が起きたのか理解ができていないようだ。
それも無理はないと思う。
だって私が胡桃先輩のほっぺたを叩いたから。
両手で包み込むように…
璃夢「そんなこと言っちゃダメですよ。一人じゃないのに。」
理緒「何言ってるの?一人だよ…」
璃夢「だからダメですってば」
理緒「うゆっ!」
私は頬を挟む力をつよめた。
璃夢「僕が先輩のそばにいない間、先輩は一人でしたか?」
理緒「っ…」
璃夢「一人じゃ…ないですよね?星宮先輩と有栖先輩がいたはずです」
理緒「……。」
璃夢「先輩のことを大切に思っているのは僕だけじゃないんですよ。」
星宮先輩や有栖先輩もそうだけど、きっと茉莉さんや透さんも胡桃先輩のことを大切に思ってる。


