INFATUATOシンドローム 2





理緒「無理だっ…お願いハムスターちゃんっ!いなくならないで!ハムスターちゃんがいなくなったら俺死んじゃうよ!?」


まるで親に捨てられる寸前の子供のように駄々をこねる胡桃先輩。

私はそんな胡桃先輩のそばに行き、しゃがんで視線を合わせた


璃夢「胡桃先輩」


理緒「ダメだよ…。グズッ、俺から離れたらダメだって!そんなの、許さないっ!俺、一人になっちゃうじゃん!」


それは違う


璃夢「違いますよ」


理緒「え?」


胡桃先輩が嫌がる理由は、私がいなくなることで一人になってしまうからでしょ?

でもね、それは違うんだよ


璃夢「胡桃先輩は、一人なんかじゃありません」


理緒「違わないっ!俺はハムスターちゃんがいなかったら一人なんだよっ!」


パシンッ!!


昴「っ」


翼「璃夢!?」


周りのみんなは驚いたような表情をした。


理緒「っ?」


胡桃先輩も何が起きたのか理解ができていないようだ。

それも無理はないと思う。

だって私が胡桃先輩のほっぺたを叩いたから。








両手で包み込むように…


璃夢「そんなこと言っちゃダメですよ。一人じゃないのに。」


理緒「何言ってるの?一人だよ…」


璃夢「だからダメですってば」


理緒「うゆっ!」


私は頬を挟む力をつよめた。


璃夢「僕が先輩のそばにいない間、先輩は一人でしたか?」


理緒「っ…」


璃夢「一人じゃ…ないですよね?星宮先輩と有栖先輩がいたはずです」


理緒「……。」


璃夢「先輩のことを大切に思っているのは僕だけじゃないんですよ。」


星宮先輩や有栖先輩もそうだけど、きっと茉莉さんや透さんも胡桃先輩のことを大切に思ってる。