璃夢「僕が勝ったらペット期間は終了です」
そう言った瞬間、胡桃先輩は表情を失った。
理緒「…は、え…なんで?嘘、でしょ…?」
呟くように言う胡桃先輩に、私はなんの言葉をかけられない。だって、嘘でもなんでもないから。
胡桃先輩が体調悪いのは重々承知だ。それなのに追い打ちをかけるようなことをしている。でもこれ以上引き伸ばすことは出来ないんだ。
それに……このままだと…胡桃先輩は私無しじゃ生きられなくなっちゃうんじゃないかって思えちゃう…。
自意識過剰なのかもしれない。でも、そんな不安が心のどこかにずっとあった。もう私も、胡桃先輩も目を逸らしたらいけないんだ…。
ガシッ!
璃夢「っ」
昴「テメェふざけんなよ!?なんの為に俺たちがお前に理緒を託したと思ってんだ!」
するといつの間に来たか分からない星宮先輩に胸ぐらを掴まれた
由宇「昴!!やめなって!」
昴「うっせー!お前だって俺と同じ気持ちだろ!?だからコイツに理緒を任せたんじゃねぇのかよ!」
星宮先輩が怒るのも無理はない。
だって私は今、胡桃先輩を傷つけたんだから。大切な人を傷つけられたらそりゃあ黙ってないよ。
けど、私は言うよ。
璃夢「星宮先輩、目を覚ましてください」
昴「っ」
璃夢「ホントは分かってますよね、このままじゃダメだって。」
私は胸ぐらを掴む星宮先輩の手に自分の手を重ねた
璃夢「甘やかすだけが優しさじゃないです」
昴「っ…んな事知ってんだって…」
そう呟いた星宮先輩はゆっくりと私の胸ぐらから手を離した。
星宮先輩は胡桃先輩が大切だから。昔からの親友だから…だからこそ傷つけたくなかったんだよね
傷つければ…胡桃先輩はもう【壊れてしまう】から…。


