璃夢「……胡桃先輩…食欲落ちてるんだ…」
手紙を読みながらそう呟いた
私が読んでいる手紙、それは有栖先輩からだ。
私は胡桃先輩のためにお弁当を作り、それを手渡しするわけにはいかないので有栖先輩と決めた場所に置くようにしていた。
私が朝早く学校に来て、そこにおいて置く。そして放課後に有栖先輩がそこに戻すという仕組みになっている。
またその中には手紙を入れていて、お互いに情報の交換をしている。
私からは『今日はどこを探したか』『胡桃先輩はどんな様子か』『もう少し待って』などといった内容を。
有栖先輩からは『日に日に元気が無くなっていく』『夜出歩いている様子はない』『早く見つかるといいね』などと言った内容が。
それでも、胡桃先輩が限界に近づいているんじゃないかと感じる。
だって、目の下にはクマがあって、いつも綺麗にしてある髪型もぐしゃぐしゃ。ボーッとしてるのをよく見るようになった。
だから、私は早く見つけなきゃいけない。
胡桃先輩を追い詰めてしまうような形になるとしても………。
「……む…ーい……む?璃夢!」
璃夢「はいっ!」
考え事をしていて誰かに呼ばれているのに気が付かなかった
誰だろうと声のした方をみると翼と雪くんがいた
翼「大丈夫か?ボーッとしてたけど」
璃夢「うん、大丈夫だよ!」
今日は校舎内を探すんだったね。
みんなが協力してくれてるから、全部を満遍なく探すことが出来ている。
私が川を探す時は、他のみんなは学校内や近辺を探してくれ、私が学校内を探す時はみんなが川を探しに行ってくれる
みんなだって放課後やりたいことがあるだろうに私に時間をくれて…本当に申し訳ない…。


