「愛与」
朝一で顔を合わせた泰希が、俺を呼んだ。
ぎこちなく笑って手を挙げた泰希に、軽く言葉を返す。
真雪を乗せたタクシーが無事に、病院に戻ったことを教えてくれたのは泰希だった。
なんで泰希が病院に居るんだ、って疑問が無いワケじゃない。
しかし、
「ちょっと良い?」
泰希に手招きされるままに向かった屋上で、
待ち受けていた知海を見て、なんとなく納得した。
「昨日、なんですぐに真雪を病院に帰さなかったの?」
俺の顔を見るなり、開口一番で噛みついてくる知海に少し面食らう。
「……ごめん」
両手を軽く握り締め、小さく頭を下げた俺に、
「……嘘よ。戻って来た真雪、嬉しそうだったから」
ずっと険しかった表情を緩めた知海が、
「ありがとう」
こう言ってはにかんだ顔は、どことなく真雪に似ていた。
朝一で顔を合わせた泰希が、俺を呼んだ。
ぎこちなく笑って手を挙げた泰希に、軽く言葉を返す。
真雪を乗せたタクシーが無事に、病院に戻ったことを教えてくれたのは泰希だった。
なんで泰希が病院に居るんだ、って疑問が無いワケじゃない。
しかし、
「ちょっと良い?」
泰希に手招きされるままに向かった屋上で、
待ち受けていた知海を見て、なんとなく納得した。
「昨日、なんですぐに真雪を病院に帰さなかったの?」
俺の顔を見るなり、開口一番で噛みついてくる知海に少し面食らう。
「……ごめん」
両手を軽く握り締め、小さく頭を下げた俺に、
「……嘘よ。戻って来た真雪、嬉しそうだったから」
ずっと険しかった表情を緩めた知海が、
「ありがとう」
こう言ってはにかんだ顔は、どことなく真雪に似ていた。