真冬のコーヒーと


朝起きて身支度を済ませ家を出る。

向かったのはあの喫茶店。

東通りの裏路地を抜けたところ。

あの日以来何度も来ようと思っていたが課題に追われつい忘れてしまっていた。

来るのは2ヶ月ぶり。
少し緊張しながらドアを開けた。

やはり客は自分1人。
コーヒーを頼む。

あの女の子がコーヒーを運んできてくれた。

「どうぞ」
優しい茶色の目にボブの髪型がよく似合っていた。

見惚れて声が出なかった。

少しそこで時間を潰し店を出ようとする。

「今日はコーヒーのおかわりいりませんか?」

彼女から声をかけられた。

覚えてくれていたんだ。嬉しさと同時に恥ずかしさがこみ上げる。

「なんで僕のこと、、、覚えてくれてたんですか?」

「ここはお客さんが少ないので来てくれるお客さんはみんな覚えています」

驚いた。
すごいなこの子。

「僕花見沢って言います。花見沢 優。また来ますね」

「花見沢さん。待ってます」
彼女はまた微笑みをくれた。

無料券は使わなかった。

また来る理由を作るために。