よく考えると
私はまだまだ幼稚だったんだ。


連絡先を聞かれただけで浮かれて
たまたまが重なれば運命なのかなとか
送られた写メを見て、
私だけに送ってくれたのかなとか。



志乃が釣りに行かないで言うのも
紺野さんはやめたほうがいいと言うのも
全部私への気遣いだった。


親友の言葉を聞かずに
ほいほい釣りに行って連絡先まで交換して
最後には会う約束までして。


あぁ、そうだ。
昨日の夜、会う約束してたんだ。
仕事終わったら連絡くれるって言ってたもんな。


そう思い出して電源を入れた携帯には
紺さんからは何の連絡も入っていない。


そりゃそうか。


私はどこまでもバカだ。
昨日あんなことがあって
釣り人の紺さんはアイドルだって
散々知ったはずなのに


まだ何かを信じようとしている。