「綺麗やなぁ。」

「ね。」

「あ、そうや!
写真撮ってくれへん!?」





ロクマルを釣り上げた日と同じように
紺さんは私に携帯を渡した。


なぜか物凄く角度にこだわる紺さん。
この辺にしよ!と言われたところから
シャッターを押す。


携帯を紺さんに返した私はまた、
徐々に沈みゆく太陽と
色を濃くする空を眺めていた。



カシャっというシャッター音が聞こえて
振り返ると、空を写真に収めて
へへっと笑う彼がいた。


彼は何かと写真を撮りたがる。
最初はそんな何枚もいるのかと思っていたけど、
単純にカメラが好きなんだろう。





沈みゆく太陽を見送った後、
帰る支度をする。








「そうや、夕焼けの写真送りたいから
連絡先交換せーへん?」







出会って5ヶ月。
ようやく彼との接点ができた。