「あのね、拓人」
「なんでしょうか」
「やっぱり津田くんは悪い人だと思えないの。だから、その……」
いざ、口を開くと言葉に詰まる。
だって、関わらないのは無理だって言えば、それは拓人を裏切ることになるのだ。
「お嬢様」
拓人に名前を呼ばれ、思わず肩がビクッと跳ねた。
恐る恐る拓人を見たけれど、彼は穏やかな笑みを浮かべていた。
「ゆっくりでいいです、全て話してください」
拓人はいつも通りの優しい声音だったから、安心して緊張がほぐれた気がした。
「だからね、関わらないようにするのはできないの……」
それで津田くんや楓ちゃんに怪しまれ、バレてしまう恐れだってある。
実際朝に避けていたことがバレていたのだ。



