「どうした?
お前、さっきから様子変だけど」
「い、いや……別に、なんでもないよ」
やっぱり今日、ちゃんと拓人と話さねば。
きっと、何かがあるはず。
私を独り占めしたいだなんて、ありえない。
だって拓人は真面目でまともな私の専属執事。
決してそのような考えは持っていない。
それに拓人は、将来私が婚約するからキスの勉強をするって言ってくれたのだ、独り占めしたいのという発想はないに決まっている。
「やっぱお前の彼氏、本当に大丈夫か?」
「えーっ、津田がそこまで心配するのって怪しい」
「お前だって思うだろ?」
「んー、でもイケメンな先輩に束縛されるのって良くない?」
「……ダメだこいつ」
「津田が心配することないよ、何かあれば私たちに言ってくれたらいいし。ね、美紅」
「う、うん……」
最後は何かあれば私がふたりに相談する、という形になり、次の授業の先生がやって来たので、話はそこで終了した。



