前回は何も言わないまま、結局津田くんか忘れたことになってしまったからこそ、今回はちゃんと言わないと。
「あ、あの、せんせ……っ」
先生のほうを向いて、口を開こうとしたのだが、それを制するように津田くんが私の腕を掴んだ。
思わず津田くんのほうを見ると、彼は首を横に振る。
「目立ちたくないだろ?
それなのに、無理に言う必要はねぇ」
ほら、やっぱり津田くんは優しい。
私のことを考えての言葉。
「でも、津田くんは忘れてないのに」
「俺はいいから。黙って授業受けろ」
言葉こそきつかったけれど、行動は優しい。
また助けられた。
「……津田くん、ありがとう」
「別に。……まあ、二回も忘れるのには驚きだな。
まだ学校始まって間もないのに」
「うっ……ごもっともです」
その通り過ぎて、何も言い返せない。



