「はい。キスをする前、お嬢様は何度もそれを止めようとして、キスを受け入れようとしませんでした」
「そ、れは……」
毎日キスの勉強をするのは恥ずかしくて無理だと思ったからだ。
止めようと思ったのに、拓人が話を聞いてくれなくて。
「いいですか?そんな風に抵抗されたり、嫌がられたり、焦らされると男は逆に燃え上がってしまいます」
「へ…」
「もっと熱くなる。無理矢理でも奪いたくなるのです」
「……っ」
無理矢理、でも……?
もし本当なら、私に逃げ場はないということだ。
「ならどうやって回避すればいいの?」
「回避する方法はありません」
「男の人、みんなそうなの?」
「はい。だから簡単に心を許してはなりません。
男は何の前触れもなく、女に迫るものです」
つまり、津田くんもいつかは……?
いや、そんなわけないと、首を横に振る。



