「今日は勉強しない」
「それはいけません」
「拓人……」
まだ少し粘っていたら、しびれを切らした拓人がついに手を滑らせ、顎に添えてきた。
「……っ」
それでようやく拓人は額を離してくれたけれど、今度は顎を持ち上げられ、無理矢理視線を合わせられた。
余裕たっぷりの笑み。
それに対して私は、顔だけでなく全身の体温も上昇した気がした。
「目、逸らしたらいけませんよ」
「た、くと…」
「口も素直に閉じてくださいね」
ダメだ。
もう拓人は、私の話を一切聞いてくれない。
どんどん先に進んでしまうから、手遅れだということはわかり。
私は諦めて、口と目をぎゅっと強く閉じた。



